メシの種なり
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//いくら勉強してもしゃべれるようにならない、聴いても分からないというその理由は何なのか英語を『メシの種』にしている私がすべて解き明かします!
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001-はじめに
■今年から(平成13年)、私の住んでいる品川区でも、区立小学校で英語を教えはじめた。三年生から英語を始めるのだという。小学校から英語を教えはじめることに関しては、賛否両論があちこちで展開されているが、おおむね賛成派が多いようだ。私はどちらかというと、小学生のうちから英語を強制する必要はないと思うのだが、やりようによっては、会話力をつけることに役立つとも思う。ただし「やりようによっては」という条件付である。ネイティブ・スピーカーに教えさせれば、皆、英語が上手くなる、しゃべれるようになるというわけではない。小学校からはじめれば、中学校からはじめるよりも、ずっと早くからしゃべれるようになるということにはならない。あくまでも「教え方」によるのである。全国で八千人にものぼるALT(外国人の英語指導助手)を雇用し、英語教育を実施している中学高校が、ほとんど成果をあげていないことを考えると、同じことを小学校でやっても、先は見えているのである。
■ 小学校から英語を教えることは、多分、ここ二・三年で、全国的に行われるようになるだろう。こういう世の中だから、小学生の子供を持つお母さんたちは、子供のために役立ちたいと思って、自分たちも英語の再勉強に取り組まなければならないと思う人が大勢出てくると思われる。なんせ英語は、主婦たちの「やりたいことのリスト」の第二位にランクされているぐらいなのだから。 サラリーマンでも役人でも、英語など必要ないなんて言う人は、ごく少数派で、英語がしゃべれるようになりたいと思っている人はゴマンといるし、企業でも社員に会話を習わせているところが多く、今やIT革命の時代だから、インターネットには英語が欠かせないなどと言っている。一国の首脳たちまで「英語を第二公用語にしよう」(森前首相などもその一人だが)などと「寝言」を言いはじめるほど、世の中、英語英語と言って騒いでいる。もっとも、多少、英語をメシの種にしている私などには、ありがたいことなのだが、それにしても、日本の英語教育は、どうしてこう欠陥だらけなのかと不思議でしょうがない。改革改革と叫びながら、成果の上がるようなことは、全くと言ってもいいぐらい行われていない。外国人の先生を雇えば、日本人の英語が上手くなると思って、ガイジン(英語が母国語の白人)を教壇に立たせても、録音テープ代わりに使われるだけだったり、教える能力がなく(語学教師としてしっかり訓練されていないので)、ただ英語がしゃべれるだけのガイジンだったり、また教える能力もある良い先生でも、彼にやる気をなくさせるような環境だったりと、いろいろな問題を抱えているらしい。
■日本人は誰でも「英語がしゃべれるようになったらいいな」と思っていると言えば、大げさな言い方になるかもしれないが、とにかく、多くの日本人は英語に強い興味を示していることは確かである。年間、千六百万人が海外旅行をする国など日本ぐらいなのかも知れないが、皆、「英語ができればもっと楽しめたのに」と言う。だから、英語に関する知識を増やそうと、いろいろな本をよんだり、テレビ・ラジオの英会話番組を見たり聴いたりし、英会話学校へ行く人もたくさんいるのである。しかし、それでもなかなか上達しないと嘆いている人も多い。いくら勉強してもしゃべれるようにならない、聴いても分からないというその理由は何なのか?私は「その犯人は発音なのだ!」と叫び続けているのである。上手くならないのは、正しく発音できるようにトレーニングされてこなかった為なのだ。少なくとも学校では。自分が正しく発音できて、口に出して言えるように練習したチャンク(長くても単語が八つぐらいの短い表現、多くは4〜6語ぐらいのもの)を千や二千も覚えておけば、会話は難なく出来るようになる。自分が正しい発音でペラペラっと口に出せるチャンクは、確実に聞き取れて、その意味がすぐに理解できる。自分が口に出せる(正しい発音、抑揚などで)チャンクをできるだけ仕込めばよいのである。まず良い鉄砲を手に入れ(正しい発音が出来るようになった)、同時に弾薬も十分に調達する。そうすれば、引き金を引けば「いつでもズドンと弾が出てくる」のである。
■小さい子供は、皆、言葉を覚える天才なのである。しかし、言葉を覚えるには、幼児のように終始口を動かして練習しなければ、天才でも簡単には言葉は覚えられない。週に2〜3時間だけネイティブの先生に接触しただけでしゃべれるようになるというわけにはならない。教える方のコミュニケーション能力も重要で、ある程度、日本語で子供たちと意思の疎通が出来なければ、英語だけでやっても、ちんぷんかんぷんということになる。ましてや、一クラス30人も生徒がいると、先生と英語で接触できる時間は、一人当たり非常に短いものになるから、文科省が考えているような効果は期待できない。
■この連載では、英語に関して、私が気が付いて時折書きとめていた小文をまとめたもので、英語は「メシの種」になると思う読者には、けっこう楽しんでお読みいただけると思い、著したものである。
平成13年12月某日
著者 杉本宣昭
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