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スギーズのiエッセイ
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//我輩も猫である//
vol.001
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■この国に有名な小説家・夏目漱石が書いた「吾輩は猫である」に登場する猫とは血もつながっていないし、何の関係もない。
しかし "I'm a cat, too." (吾輩も猫である)と言いたいのである。
"But I'm not an ordinary cat. I'm different. I'm a genius." だが、猫は猫でも、その辺にごろごろしている猫たちとは、一味もふた味も違う。
俺は天才なのだ。
■夏目漱石の小説に出てくる猫は、この国の有名人(猫?)だから、系図の偽造でもして、あの猫の子孫(猫孫?)だと言ったほうが、知名度は上がるかもしれない。
だが嘘までついて有名になる積りはない。
"I was born in the United States but have no nationality. I carry no passport nor any visa to enter any country.
My old master was an American and took me to Japan."
私の生まれた所はアメリカ合衆国である。猫に国籍はない。
日本に来るのにパスポートやビサも必要ない。
たまたま昔のご主人様がアメリカ人で、彼のお供をして、この東洋の経済大国へやってきただけである。
■旧主は紅毛碧眼のヘンリーJ・キャットナップ(Henry J. Catnap)という。
"catnap" とは「転寝(うたたね)」と言う意味だが、"nap" だけで「うたたね」の意味だから、その上に「猫」の文字をつける必要などないと思うのだが。
社命によって、東京へ子会社を設立するために派遣されてきたのである。
コンピューター関係の会社だが、日本の市場も無視できなくなり、日本への進出が決定された。
彼は大学時代、多少日本語を勉強したということが知れて、この厄介な仕事を押し付けられることになったようだ。
年齢は30そこそこだが、独身であることが東京へ派遣された理由の一つでもあったらしい。
女房・子持ちの男を日本へ行かせれば、子供の教育費を負担したり、家族の人数によっては大きな家かアパート(どうもこの国の人たちは "アパートメントapartment or アパートメントハウスapartment house" のことを「マンション」("mansion" = 「大邸宅」と好んで呼ぶようだ)を借りてやらなければならない。
会社の方も女房・子持ちでは経費もかかるので、独身の男の派遣ということにしたのだろう。
時々、会社のケチさ加減をなじっていたぐらいだから。
■ヘンリー・キャットナップは30を越しても独身者でいるぐらいだから、たいして女にもてるというわけでもなく、猫など(吾輩のことだが)を飼って、まあ気侭にのんびりと暮らしていた。
何が起こったのか知らないが、東京に2年ほどいて、急にアメリカへ帰ってしまった。
しかも私を置き去りにしたままである。私に一言こう言って "You're free now. You can go anywhere and do whatever you want."
(お前は自由の身だ。好きな所へ行き、好きなことをすればよい。)あたふたと一人で帰国してしまったのである
■黒人奴隷を解放したリンカーン大統領を気取って、私を「解放」したつもりかも知れないが、ペットというものは「奴隷」とは違うのである。
特に猫は、犬のように首輪をつけられて、鎖につながれたり、小鳥のように小さなカゴの中に閉じ込められたりするわけではない。
主持ちの身ながらかなり自由に今までやってきた。
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