//我輩も猫である//

vol.012

・小学生のうちから英語下手を養成するらしい

"Hey, Charlie, they're gonna do it again. Did you read the paper this morning? "「あいつら、またやるつもりだよ。チャーリー、新聞見たか?」とセンセイが言うので、"Who are they, and what are they going to do?" と私が言うと、"They, the 'monbusho' guys. The paper says that they're gonna train the existing elementary school teachers so that they can teach English to the kids." 「あいつらだよ、文部省の連中だ。今いる先生たちを再教育して、小学生に英語を教えさせるんだとよ」

■今朝の日経(8/24/00)に「平成十四年度から全面的に実施される『総合的な学習の時間』を活用して、小学三年生からの英語学習が可能となることから、文部省は23日、来年度から、小学校教員に対し英語指導のための研修を行うことに決めた」と報道された記事を見て、センセイが頭にきているのである。今年から品川区のいくつかの小学校で「ネイティブ・イングリシュ・スピーカー」(英語母国人)の教師を雇って英会話を教えはじめたとき、センセイが私に言うには「今は外人の先生を雇ったりしているが、そのうち、まともな発音も出来ない、英語もしゃべれない日本人、今いる先生たちに英語を教えさせるようになるぞ」と。ようするに、全国の小学校に大勢の英語母国語人を配属することなど財政的にできるわけがないから、英語を教える先生の大多数は、今いる先生の中から選んで、その人たちをちょっと訓練して教えさせるか、または中学校の教師を派遣して彼らに教えさせるのは目に見えているとセンセイは言うのだ。その結果、どうなるのか。今までは中学校から英語下手にしてきたのを、小学生のときから「英語下手、英語嫌い」を養成するのだと。

■私も全く同感で、生徒の能力の問題ではなく、先生の教える能力の問題なのである。日本の英語の教師の発音のひどさは、私が時々あっちこっちの学校に出かけてリサーチしただけでも明らかで、音ばかりではなく、抑揚(intonation,イントネーション)もフラット(flat)で、アメリカ人などはマシンガン(machine gun)のように「ダダダダ」としか聞こえないと言っている。またリズム(rhythm)もとてもひどくて、全く英語に聞こえない。だから、日本の英語の教師は、英語の「音声システム」(English sound system)をよく研究して、せめて発音だけでもある程度正しく出来るようにならないと、生徒は間違った音を教わることになる。特に小学生は耳が敏感だから、正しい発音だろうが間違った発音だろうが、ちゃんと覚えてしまう。先生の発音がおかしければ、生徒の発音もおかしくなる。

"Charlie, these guys at 'monbusho' never learn it. They say they're gonna teach English conversation. They're gonna teach the kids how to communicate in English. But that's real bull-shit." 「文部省の奴らは何もわっかっちゃいない」と言う。生徒が英語でコミューニケーションができるように教えるなんて、そんなこと不可能だと。センセイは、はじめのうちは、ひょっとしたら、二万人ほどネイティブの先生を雇って、各小学校に派遣して、ガイジンの先生だけに教えさせるのかと思ったらしいが、諸般の情勢(財政的なことなど)を考慮すると、そんなことは不可能だと悟ったらしい。大勢のガイジン教師を募集しても、まず、どれくらいの応募があるかも疑問なのだと。ネイティブのガイジンなら誰でもよいというわけではない。少なくともある程度日本語がしゃべれて、英語を教えるノウハウ(know-how)を持っているプロの教師でなければならない。そういう条件を満たせられるガイジンが沢山いるとはとても考えらないと。せめて大学院で英語教授法(TESOLのような)を勉強したような者なら、一応、プロの語学教師と言えるが、たとえば、アメリカ人やイギリス人の大卒でも、英語がしゃべれるというだけではダメだとセンセイは言うのだ。私もその通りだと思う。

■学校と名のつくところで英語を教えるのは、成果という点から見ると、実り少ない行為だとセンセイは言う。まず、何をもって「成果」と呼ぶかである。学生に英語を教えて、彼らに何を期待するのか?また、どういう方法でその成果を評価するのか?小学生に教える英語は「文法ではない。英会話を教える」のだと文部省は言う。外国人と英語でコミュニケーションが出来るようにさせたいということらしい。要するに英語で話せるようにする(もちろん相手の話も聞き取れて)ということなのだろう。

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