//我輩も猫である//
vol.014
高齢者が学ぶ英語
■今月の11日と15日(9/11/00, 9/15/00)の日経と産経に、最近、高齢者で英語を勉強しはじめる人が増えていると書かれているのを読んで、"Sensei, I hear more older people are studying English recently. Why don't you teach English pronunciation and chunks to these senior citizens? They need a real good teacher like you." そういう人たちに発音とチャンクを教えたらどうですかと先生に聞いてみた。
"You know, Charlie, I've really never thought of teaching old folks. I mean people over 60 or 70. Now, when I come to think about it, they need to learn to speak English since many of them travel overseas these days. They have to speak some English to do shopping, ordering food in restaurants and getting things done at the hotels unless they travel with tour guides who can translate for them." 60歳代、70歳代の人たちに英語を教えるなんて今まで考えてもみなかったとセンセイは言う。最近の年寄り(?)は海外旅行をする人も多いし、買い物や食事の注文、ホテルでの用足しをするには、多少英語がしゃべれないと不便だろうと。グループでガイド付きなら、通訳してもらえるからいいかもしれないが。
■年寄りと一口に言っても、戦争中に英語を勉強しそびれた人もいるだろうし、若いころは英語が嫌いだった人もいるだろう。また、英語は好きだったがしゃべれるようにはならなかったという人も多いだろう。財団法人市川房江記念会(東京)が初心者向けの教室をやっていたり、東京都荒川区の区立老人福祉センターでも60歳以上の高齢者(?)向けの英語教室などがあり、色々ある教室の中でも英語が圧倒的な人気を博していると言う。中学校の教科書を使ってやっているらしいが「それはダメだ!」とセンセイは言う。学校の教科書でいくら勉強しても、若い中学生でも上手くならないのに、年寄りがそんな欠陥教科書を使って英語を勉強しても上手くなるわけがないと。"They'll never learn it! They're using the same teaching materials and method that have been proved to be ineffective for decades. They're absolutely stupid! They ought to have their head examined!" 今までに何人の中学生が英語をしゃべれるようになったと言うのか!過去何十年にもわたって効果が無かったやり方で年寄りを教えようなんて発想するのは「役人か学校の教師ぐらいしかいない」とセンセイは言うのである。
■"I agree with you, Sensei. These English classes will be just like the reception area of a small local hospital where old folks flock together routinely and chat all day long."こういう教室は、近所の病院の待合室のようになってしまうのがオチだと私が言うと "You're damned right. What they really need is not the opportunity to make friends but the one that they can really learn to be able to speak English. You've got to teach them useful chunks and train them how to make these chunks come out of their mouths. What they learn has to be useful and in order to make what they learn useful they have to learn how to pronounce English properly. " センセイは「まさにその通りだ」と言う。チャンクと呼ばれる短い会話文を正しい発音で言えるように教えてやれば、海外旅行に行っても、それらが使えるようになるのだと。
■老人たちがその気に(英語を覚えたくなる)なっているのなら、動機付け(モーティヴェイション、motivation)は十分なわけだから、並みの中学生たちとは違うのである。中高生なら、たいていの奴はイヤイヤで英語の授業を受けているので、やる気の点でも大いに違うし、年寄りにいやな試験などする必要はないから、いかに覚えやすくするかが重要なのだ。しかし、中学高校の英語教師に「覚えやすく教えるノーハウ」があるかというと、そんなものは無いものねだり。だから当家の大先生の登場と言うことになると思うのだが、「ではすぐにやりましょう」と言わないところをみると、何かが引っかかっているのだろう。"Sensei, why don't you go talk to some people at the 'kuyakusho'? They must be looking for a good English teacher like you. They may even pay you to do the job." 区役所に連絡してみてはどうかと私が言うのだが、「うーん」と言って、まだはっきりイエスともノーとも言わない。講師料も払ってくれるかもしれないよと言うと 英語の発音などをある程度まで習得すること出来るかもしれないが、本当に上達させるのは、ちょっと、無理かもしれない。ためしにやってみる価値はあるかもしれないがと言う。
■私は猫だから、人間様がどういう風に外国語を覚えるのかはよく分からないが、古い諺に(an old saying) "It's difficult to teach an old dog a new trick." (老犬に新しい芸を教えるのは難しい)というのがあり、いつも「犬」ばかり例にとってワン君たちには申し訳ないが、かなり難しいことは分かる。老人を対象にした英語教育の成果などは良い学術論文のネタになるような気がするのだが。
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