日本人がしゃべる英語を聞いていると、ギクシャクとしていて、モノトーン(単調)になっていることが多い。ギクシャクするのは発音に起因するが、モノトーンはイントネーション(抑揚)とリズムの問題だ。
日本の学校教育でもイントネーションはいくらか教えているようだが、リズムに関してはどうも手がまわらないらしい。というよりも、フォービート(四拍子)のリズムが日本人にしっくりとこないので、教師も手がつけられないというのが現実であろう。
私が高校時代、英語音声学に狂っていた頃、メトロノームを使って、「I went to Alabama with my banjon on my knee」と、やったものである。これがなかなか難しい。リズムを自分のものにするにはかなりの時間を要したが、私の場合、ジャズ好きだったせいか、割合と早くのみこめた。
フォービートに慣れるためには、まず四拍子のリズム感覚をつかむことから始めなければならない。実はこれがなかなか大変なことで、完全にこのリズムが身につけるには少々時間がかかる。しかし、今の若い人たちならすでにフォービートは音楽的にかなり自分のものにしているかも知れない。私の高校、大学の頃と違い、多くの人たちがギターやピアノを習っているのだから。
メトロノームを使ってリズムをとりながら音読の練習をするのも、私が昔やった方法なので、駄目だとは言わないが、あまり金属的な音だと耳に心地よくない。出来ればギター、ベース、ピアノ、ドラムなどでフォービートのリズムを作りだし、それをテープにでもとって音読の練習に使うとよい。このリズムを録音したテープをかけながら、調子のよい、例えばマザーグースなどの詩をフォービートで読む練習をする。効果てきめんなことは保証してもよい。
日本の歌(演歌、歌謡曲、民謡)をうたうには伴奏がなくても大抵問題ないが、宴会などで、「一曲、ジャズをお願いします」と言われると大変困ってしまう。
「ここではかんべんして下さいよ」と言うのが関の山だ。伴奏がないと、特にリズムセクションがないと簡単には歌えない。誰かがリズムをきちんときざんでくれないと、俗に言う「なかなか乗れない」ということになる。
ギターやウクレレを引ける人なら、それでリズムの部分を弾きながら、「ズンチャカ、ズンチャカ、ズンチャカ、ズンチャカ」という具合に伴奏を入れて、
Humpty, Dumpty, sat on a wall,
Humpty, Dumpty, had a greal fall;
All the king's horses and all the king's men
Cannot put Humpty Dumpty together again.
Jack, be nimble, Jack, be quick,
Jack, jumped over the candlestick.
Pussy cat, pussy cat, where have you been?
I've been to London to look at the queen.
Pussy cat, pussy cat, what did you there?
I frightened a little mouse under her chair.
Georgie porgie, pudding and pie,
Kissed the girls and made them cry;
When the boys came out to play
Georgie porgie ran away.
Little Jack Horner sat in the corner
Eating a Christmas pie;
He put in his thumb and pulled out a plum,
And said, what a good boy am I !
と、歌うがごとく声に出して朗読するといい。
日本人は昔から漢文の素読をやってきたが、今では文章の素読はほとんど行なわれていないと言ってもよい。
文章を覚えるには、素読がもっとも効果がある。作家の陳舜臣氏も、おじいさんから四書五経の素読の手ほどきを幼少の頃から受けたと書いている。声を出して文を朗読をすると脳裏にしっかりときざみこまれる
英語の場合でも同様である。しかし、日本語と英語とでは前述のようにリズムが違う、このリズムの違いに気を付けてする英語の素読を読者諸君にお奨めする。